仕事について考えさせられる~いただきます  喜多川 泰著~

書物と映像

私のパートナーはごみ処理の仕事をしている。私もたまに手伝いに行ったりする。   

ある日、彼が言った。「ごみの仕事をしていると、下に見られるのかな?」仕事に貴賤はないといいつつも、自分では人の役に立っている、なくてはならない仕事であると思っていても、時にはそんな疑問が浮かぶようだ。

資源ごみの回収、分別の現場では、人間の身勝手さや匿名に隠れた何をしてもいい、捨てるものには気遣いをしないという気持ちが、透けて見えてゲンナリすることもある。

また、不法投棄に近い形で捨ててはいけないものを置いていく人、こっそり置いていく人、スタッフが処理をすることを考えていないのではと思ってしまうシロモノもある。

いただきますという作品は、ごみの現場ではないけど、大学の警備員の仕事についた若者のお話だ

大学生たちは、警備員が挨拶をしても、まるでいないもののように無視して去ってしまう。彼らにとってはあまり気にもとめない存在なのだろう。若者は大学生達と歳も近いし、最初は嫌々仕事をこなしていた。しかし、同僚であるかなり年上の先輩たちの仕事ぶりや、彼らの過去、抱えている気持ちを知るにつれて、仕事への取り組み方が変わってくる。 

自分が経験しないことにはわからないことも多い。いろんな転職のおかげでアラフィフになって初めて、どんな仕事も価値があると心から思えたかもしれない。私自身も若い時は掃除のおばちゃんや、ごみ収集の人たちに眼を留めることはなかった。

本書の警備員の先輩たちは、それぞれに違う場所で一生懸命やってきた他の仕事のプロだ。事情があって警備の仕事についたが、前職と違うからとか、いないもののように扱われるからとか、そんなこと関係なく丁寧に誠実に仕事をする。その姿が若者の姿勢を変えていく。

私のパートナーも、自負をもって仕事をしている。私もそうありたいし、仕事で差別することはしたくない。結局、仕事に取り組む姿勢なんだなと学んだ作品です。

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