クイーンズ・クオリティとはどんな作品?
人のココロの掃除屋を家業とする堀北家に住み込みで働くことになった文が、自身に眠る女王(クイーン)の力に目覚めていく物語。過去からのつながり、縁が徐々に解明されていくとともに、文も真のクイーンに近づいていく。堀北玖太郎と文は互いに惹かれあうのだけど、山あり谷あり、切なくなったり、キュンキュンしたり、絆に感動したりする。登場人物がみんな魅力的な作品。
ここツボ!
一番すごいなと思ったのは、主人公が黒の女王と対峙する場面。黒の女王というのは、一見自己中心的で短絡的、攻撃的に見えるが、それは彼女自身がつらい記憶から己を守るために作り出した自分自身ということがわかる。
最後にはつらい部分を引き受けてくれてありがとうと、受け入れて抱きしめてあげる。
エゴは敵ではない。
自分がつらい思いをしたときに、自分を守った愛しい自分自身。
「私が私を助けに行こう 事故を救う心理学」という本 も最近読んで感銘を受けた。辛い時に守ろうとした私の心の一部が、安全になってからも私を守り続けているために、不都合が起きることがある。そしてその感情に名前をつけて、もう私は大丈夫、今まで守ってくれてありがとうと伝えていくことで、今必要じゃない反射は起きなくなるらしい。
主人公と黒の女王の間で起こったこともこういったことなのかなと思った。
おススメの理由
お掃除をきちんとすることが、精神的にもすごく大切なことが、物語になっていることでよくわかる。
部屋が汚くて、そこから悪いムシ(心の汚れが実際にカタチをとったもの)がわいてくる というのは感覚的にも理解しやすい。この漫画を読んで、丁寧に掃除をして、ご飯を作って食べるということは素晴らしいことなんだなと改めて感じた。あたりまえだけど、なかなか続けられないからこそ、自身のコントロールを鍛えられるところなんだな。
そして、みんないろんな理由があって、自身の信念に沿って生きているということが大切にされている。良くない事を起こして罪はあるけれど、敵にも事情があるということをしっかり描かれていてすごいなと感じた。
女性が魅力的で、主要メンバーは力強くて優しい。年齢関係なくカッコいいし美しいと思った。


コメント